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Channel: シンクロニシティ
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向かいのお友達

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遠野様:

お手紙拝見しました。えらい目に遭いはりましたねぇ!
お食事にも不自由なさったでしょう?
ヒロキくんも連れての入院でしたか?
お小さいだけに何かと大変だったろうと
お察し致します。

美奈ちゃんのことも、なんと無神経な医者なのだと
憤慨しました。
思えば遼子も、産まれて2週間も経たない時に
『この子の場合最初から結節がありますからねぇ』

まるで、悪性黒色腫という皮膚ガンにかかっていると
言わんばかりに、若い医師が言い、絶望しか
感じられませんでした。

未熟な人格の医師の、不用意な発言には
怒りより、憤りを感じます。

選びましょう、的確なアドヴァイスをくれる
お医者さんを。

美奈ちゃんはいい所がたくさんあるもの。
優しいし、根気強いし、めげずに頑張る
根性があるし。

お絵描きや、字を書く事なんだって、支障無く
出来てるんだから、何も問題ないじゃないって思うよ!

テスト?検査?そんなもの、大人だって緊張して
実力を発揮出来ないもんね。

うちの遼子は能天気に、パッパッと踊ったり
イベントではしゃいだりするタイプだけど
美奈ちゃんは、正反対。

私は、美奈ちゃんを見てて、伸び伸び、リラックスした
環境だと能力が発揮出来ると、信じてます。
じっくりと気の長い作業を、活かせる道を探して
歩んで行けば、きっと未来は明るいと思います!

どうか、学校でありのままを受け止めてくれる先生に
恵まれることを祈っています。

さて、こちらも、これを病院で書いています。
遼子の手術が終わり、もう退院です。
目の前には、そろそろビールがちらついてます。

毎日、走りもまわるわ、椅子から飛び降りるわで
ヒヤヒヤの連続です!
この病院も2度目で看護婦さんも優しいし
私もだいぶ根性が座り、精神的には疲れなかったです。

話せば長いことながら・・

根性が座ったのは、壮絶な顛末があったの。
秋に妹が突然、パニック状態で泊まりにきたの。
たかが妊娠したってだけでさぁー^^

2泊目も夜中まで付合って、朝になったら
タクシーで帰宅してた。
産婦人科に行ったらしいけど、そこでも
パニック起こして診察を断られて、急遽
博多に単身赴任してた旦那さんが帰ってきて
その日は無事に終わりました。

次の日、私は吹田の妹の家に行き、酒瓶の散らかった
部屋を片付けました。

そして一週間昼夜を問わずかかってくる妹からの電話に
根気よく付合いました。
転院にも付き添いました。
お産の前後は階下の母の居住スペースに滞在する運びになり
準備に追われる私。

前に差し上げたアドラー心理学の本を読んで
妹にどう対処すればいいのか、ずっと読み続けてました。

要するに、人の課題に首突っ込むと、逆上するのね。
だから、私は、ムダなエネルギーを使わずに
感情的にならず、怒りを、穏やかに使えるように
工夫するこを覚えたと言う訳ですわ・・

おかげで遼子の母親をこなしていく自信もちょっと付いたかも。
もちろん、まだ発展途上人だけどね、焦らんとくね。

病院生活、慣れたとはいえ、隣のベッドの男の子が
何度も泣きわめくので、私は睡眠不足になり、リンパ腺が
腫れてます。

今回の手術は医者の腕が悪く、腕の縫合部分が2回も開いてしまって
部分麻酔で2度の縫合!スタッフに混じって介助しましたが
可哀想で涙が止まりませんでした。

そちらの病院生活はもう終わった頃でしょうか?

またお電話下さい。そうそう、お礼は不要ですからね、
お古を押し付けてるんやから。
お話し出来る日を楽しみにしてます。

       ’93.10.25
                                                                           福田

 

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